配偶者控除の見直しについて考える


      


          
 
  

 926日付けの中日新聞朝刊に、政府が「配偶者控除抜本見直し」の記事が出てい
 ました。 

 配偶者控除とは、収入の少ない配偶者がいる納税者に対して、所得金額のうちの一
 定額について所得税と住民税の課税を行わないことです。

 これまで主に想定されていた対象者は、パートタイムで働く妻を持つ正規雇用の
 夫。たとえば、妻の年収が103万円以下であれば、夫の所得から所得税38万円、住
 民税33万円が控除されます。このため、これまでパートタイムなどで働く女性が、
 配偶者控除を受けるために年収を103万円以下に働き方を「調整」するといった実態
 がありました。

  もともと、戦後の日本に多かった正社員の夫と専業主婦の妻という家庭に対して
 、税金の負担を軽くするための措置でしたが、現代の状況と合わなくなってきたの
 ではないか、というのが見直し検討の理由です。まず、「配偶者控除見直し」賛成
 派の理由から見てみましょう。

 ■見直しに前向きな意見

賛成派の識者の意見としては、「女性が働くことを阻害する要因は一刻も早く撤廃
 し、男女ともに働き、子育てができる社会を作っていかねばならない」

 配偶者控除という制度自体が、女性は家にいるものという家族のあり方を方向付け
 てきたと指摘。配偶者控除を見直しすれば、「(制度だけなくして)育児や介護を社
 会全体で支える仕組みをつくらなければ、困る家庭がたくさん出てくる」としなが
 らも、「それでも早く廃止した方がいいと思うのは、制度がわれわれの価値観に大
 きく影響するから」

 ■見直しに否定的な見方

 反対派の理由として主なものは、専業主婦のいる家庭にとって実質の「増税」と
 なり、負担が大きくなることです。配偶者控除は、働き手が限られている世帯のセ
 ーフティネット(安全網)となっている面があるというものです。さらに、配偶者控
 除は賛成派が言うような「女性の働き方の制限」につながらないはずだという主張
 もあります。

 反対派の識者のコメントで「配偶者控除は女性の働き方につながらない。なぜなら
 、配偶者控除の103万円を超えても、141万円までは配偶者特別控除が段階的にある
 ので、年間所得が1000万円以下の家庭なら稼げば稼ぐだけ家計にはプラスになりま
 す」とあります。

  

 賛成派、反対派の意見に共通するのは、配偶者控除の見直しが今後の女性の働き方
 、家庭のあり方に強く影響する、という点です。また、配偶者控除の見直しが女性
 の社会進出を見据えたものなのであれば、現状ではまだサポートが足りないという
 意見は、賛成派と反対派の両方から聞こえてきます。サポートとは、子どもの預け
 先を増やすことや、介護の分担についてなどです。議論の行方を慎重に見守り、自
 分たちの生活がどう変わるのかを確認する必要があるでしょう。

                                
                      知立市議会議員 久田よしあき