増税について考える

      


          

 

311日に東日本大震災が発生し、早期の復興を実現するための財源が議論になっています。復興のための予算は5年間で19兆円とのことです。

822日午後9時のNHKニュースで、増税がテーマとなっていました。その中で被災地である宮城県の村井知事は「現在、国と地方を合わせてわが国は1000兆円の借金があります。このままどんどん借金が増えれば日本は財政破綻をします。昨今は、震災復興のためなら増税もやむなしと考える人が多くいるようです。将来にツケをまわしてはいけません。政府はこの際、増税に踏み切るべきです・・・」と述べていました。 しかし、大震災からの復興財源を「増税」に求めた国など、歴史上、1つも存在しません。何しろ、震災で国民の支出意欲は萎縮しているわけで、増税はそれに拍車をかけることになります。

 実際、1997年に消費税率が引き上げられた際、三大税(所得税、消費税、法人税)の合計は、逆に下がってしまいました。財政健全化を求めて「増税」をした揚げ句、減収になってしまったのです。当然の成り行きとして、財政は健全化されるどころか悪化しました。

1-1 1997年と98年の三大税の比較(単位:円)

 

消費税

所得税

法人税

三大税合計

1997

74644

207104

135004

416752

1998

84235

174210

120210

378655

出所:国税庁

 上記の通り、97年から翌年にかけ、確かに消費税は増えたのですが(税率がアップしたため、当然です)、所得税と法人税は大きく落ち込みました。結果、三大税(消費税、所得税、法人税)の合計は、1997年が416752億円、1998年が378655億円と、4兆円近くも減少してしまったのです。

増税することで財政健全化や「復興と成長」が本当に実現できるのであれば、率先して賛成します。 とはいえ、現在デフレ環境下にあるわが国において増税を実施しても、単に民間の支出意欲や借り入れ意欲を削ぎ、GDPを削り取るだけの話です。結果、98年の事例が示す通り、政府の税収はむしろ減り、財政は増税以前よりも悪化する羽目になります。

 消費税のUP、これは遅かれ早かれ実現しなければなりません。ただ、今この時期にするか否かは、議論が分かれるところです。議員同士が話し合っても平行線を辿るだけです。こんな大事なことは国民投票すべきだと考えますが、あなたはどう思われますでしょうか。

(残念ながら現在のわが国では、国民投票をするシステムが確立されていません。小沢一郎氏が、かつて自由党時代に国民投票のシステム確立を政策に掲げていました。)