災害について考える

大災害で得た教訓とは


本年は、311日の東日本大震災そして9月の台風12号、15号など、大災害が発生しています。災害は地域で暮らす住民にとって日常生活を脅かす大きな不安材料となっていますが、それに対する危機意識は決して高いとは言えません。また、想定されている災害に備えて防災や減災の取り組みが必要だとは感じながらも、実情はどこかひとごとのようになってしまっています。

日本国民にとって大災害と言えば、平成7117日発生の阪神淡路大震災、そして平成23311日の東日本大震災が挙げられます。私たちは、この二つの大きな災害を通していくつかの教訓を得ました。まずは、それらをおさらいします。


 6432人が犠牲となった阪神淡路大震災(平成7117日発生)から得た教訓は、「災害をひとごとと考えない」、「災害に対し普段から備える」、「日頃の地域のつながり、近隣のつながりが大切である」ということです。
甚大な被害を受けた神戸市長田区内の真野地区では、普段から住民活動が活発であったため、発災時から住民のバケツリレーで延焼が食い止められ、犠牲を最小限にとどめることができたそうです。また、淡路島の北淡町では、日頃から見守りネットワーク活動が活発に取り組まれていたため、発災日の午後3時すぎには全員の安否確認が終了していたそうです。


 一方、死者・行方不明者合わせて2万人の東日本大震災。三陸という場所では過去、多くの「大津波」が発生し、数万人規模の被害が発生しています。それがゆえの防波堤、防潮堤が建設されていたわけですが、それは「絶対」的な安全を保障するものではなく、一定の「減災効果」しか持っていません。今回は15mを越える津波が海岸を襲ったわけですが、ならば20mの防潮堤が建設可能かというとそれは自治体の予算や、現状の技術面でも不可能であり、「ハード」の津波対策には限界があるということを改めて認識せざるを得ません。
つまり、「津波被害」を最小限にするためには、ソフト面での対策をさらに徹底するしかないのです。あの世界一の防潮堤は、破壊され、越えられてしまったものの、市内に流れ込む速度を「6分」遅らせることが出来たとの試算もあります。その6分の猶予があったことで、より多くの人が避難場所へと移動できたことでしょう。その避難行動へ、いかに早く頭を切り替えることができるか、それぞれの場所が避難方法・経路をマニュアルにして沿岸住民全てに徹底させること、さらに日本国民全体が、津波とはどんな災害なのか、海岸に自分がいた場合には、どうすればその被害から逃れることが出来るのかを再認識することが必要です。
この津波災害で新たに得た教訓とは

·      防波堤や防潮堤は完璧ではない、地震が発生したら高台に避難する

·      防災無線などによる警告よりさらに前に、自分の判断で緊急避難すること

·      3階建てのコンクリートの建造物も絶対ではない。事前に避難経路を確認しておき、海岸地域からいかに高台に移動するかが生死を分ける

·      津波は第一波で終わりではない、さらに第二波が訪れる。警報解除前に戻るのは厳禁

·      地震津波は震度に比例しない。わずかな揺れでも大きな津波は発生する

 住民の多くは、地震が多発していた地域がゆえの「慣れ」が多くの被害者を発生してしまったことを認識しています。しかし被災地域以外の国民も、この津波災害がいかに恐ろしい自然災害であることを忘れずに、津波発生=緊急避難の対応をしっかりと胸に刻み込まなければなりません。


 名古屋大学の地震研究者によると、東海地震・東南海地震・南海地震が連動して発生した場合、愛知県も大津波に襲われる可能性が極めて高いということです。


さて、次は意外と知られていないガソリンスタンドとコンビニエンスストアのお話です。


災害時に頼りになるガソリンスタンド


 街中のガソリンスタンド、地震災害があったときには、石油に引火したら大爆発してしまうのではないだろうか?と思ってしまうかもしれません。しかし実はこの場所こそ町中でも最も危険度の低い場所であり、周囲が延焼しても焼け残るほどに火災にも強い場所だったのです。


 まずガソリンスタンドとは消防法や建築基準法において厳しく制限されていて、地下のガソリンタンクはたとえ地表面に炎が広がっても引火しないように、厚いコンクリートに覆われています。また建物も一般住宅よりはるかに強度の高い構造になっています。またガソリンスタンドの周囲は高い耐火性のある壁が義務づけられていますので、逃げ込む場所がなければ、ガソリンスタンドの高い天井の下はとても安全な避難場所になります。実際に阪神淡路大震災や新潟中越地震においても一件の火災事故は発生していないことがそれを証明しています。

また、ガソリンスタンドには、必ず消火器具や重機などもそなわっており、大規模災害時に火災の延焼を食い止めたり、倒壊した家屋の下からの救出などにも役立ちます。最近では自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator)なども多く用意されていて、緊急時には大変頼りになる場所となっています。

 東海地震の危険が予想される静岡県では、静岡県石油組合による「大規模災害時協力ガソリンスタンド登録制度」があり、登録したガソリンスタンドでは、災害時に、以下のような支援を行うこととしています。

1.防災用品、消火器などの貸し出し

2.緊急車両に対する自動車用燃料の供給

3.周辺住民の安否情報のための掲示板の提供

4.周辺の被害情報や道路情報の関係機関への提供

5.給油所を一時的な緊急物資の保管場所として提供


コンビニエンスストアの災害時の利用法


都心部から郊外に至るまで、コンビニエンスストアはもはや生活の一部に溶け込んでいます。もしも様々なインフラが途絶えたときに、身近なコンビニエンスストアが無事であれば本当に助かります。いまや国民の生活を支える大きなインフラのひとつであるコンビニエンスストアを束ねる社団法人日本フランチャイズチェーン協会では、安全・安心な街づくりに協力するために、街の「セーフティステーション活動」を行っています。これは20007月に、警察庁からコンビニエンスストア業界に対し「まちの安全・安心拠点となって欲しい」という要請があり、コンビニエンスストア業界の果 たすべき社会的責任に鑑み、JFA加盟の全チェーンが力を合わせて活動を始めています。


 2003年からは、行政・地域の協力のもと、「安全・安心なまちづくり」や「青少年の健全育成」に協力するセーフティステーショントライアル活動を通 じて、「地域社会への安全・安心に貢献するお店づくり」を目指した取組みを実施。日本全国約4万2千店のコンビニエンスストアで足並みをそろえ本格的に行われています。具体的には大規模災害時にも、可能な限り営業を継続するとともに、近隣住民や帰宅困難者に対して、店舗で知り得た情報やトイレ・水道水等の提供を可能な範囲で支援するというものです。

具体的な利用法としては、災害時の帰宅コース上に、どこにコンビニエンスストアがあるかを調べておくといいでしょう。もちろん実際に歩いておくことが重要です。ぜひ一度、徒歩での帰宅にトライして、コンビニエンスストアの帰宅支援ステーションのマークを確認しておきましょう。

また、近隣のコンビニエンスストアに、非常時に必要なものを扱っているかどうか確かめておくこともいざという時に役に立ちます。ガムテープ、油性マジックインク、ウェットティッシュなどは災害時初期に様々な用途に利用できます。

もっとも重要なことは、電気、ガス、水道、交通機関が一定期間止まったと仮定して、どのような状況になるかを想定して準備しておくことなのです。

大災害時にライフラインが止まったとき、コンビニエンスストアが無事であれば、大変頼りになるセーフティステーションになります。徒歩での帰宅を余儀なくされた場合には、遠慮なく帰宅支援ステーションマークのあるコンビニエンスストアに立ち寄りましょう。大型ショッピングセンターやデパートなどは大災害時には機能を回復するのに時間がかかることも考えられます。コンビニエンスストアで手に入る商品の中にも非常時に役にたつ商品が数多くあります。非常時に何が必要になるか、コンビニエンスストアの品揃えを見て考えてみることもひとつのサバイバル技術ではないでしょうか。


大災害をきっかけとして開発された商品


代表的なものと言えば最近開発された太陽光発電のLED街路灯です。省エネで各種制御装置が付いています。日没とともに点灯し、日の出とともに消灯する照明制御をはじめ人感センサー制御、充放電制御などが装備されています。

大災害の際は停電になるケースが多いわけですから、避難場所周辺には、このような街路灯が必要となってきます。愛知県内のある自治体では、これらの器具の設置に関してすでに検討に入っているところもあるようです。

最後に。

私たちの地域にも、いつ大災害がやってくるかわかりません。本文が、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。