私学助成について考える

私立学校は、国公立学校とともに国民の教育を受ける権利を保障する上で重要な役割を担っており、国においても、学費の公私間格差是正を目的とした私立学校振興助成法を昭和50年に制定し、文部科学省による国庫助成たる各種助成措置を講じてきたところです。
 しかし、地方自治体では、財政難を理由とした私学助成削減の動きが急速に広がっています。愛知県においても、「財政危機」を理由として平成11年度に総額15パーセント、生徒一人あたり約5万円に及ぶ経常費助成(一般)の削減がなされました。
 その後、県の私学関係予算は、国の私学助成の増額ともあいまって、単価では増額に転じてきましたが、少子化による生徒減とも重なって、多くの学園の経営は深刻な事態となっています。このままでは、学費と教育条件の公私格差が一層拡大します。
 さらに、昨今の不況が子どもを直撃し、「経済的理由」で退学したり、授業料を滞納する生徒が急増しています。また、過重な学費負担のため、私学を選びたくても選ぶことのできない層がますます広がり、学費の公私格差が学校選択の障害となり、「教育の機会均等」を著しく損なっています。
 このような私学を取り巻く厳しい状況の中で、都道府県における私学助成制度の土台となっている国の私学助成が果たす役割はますます大きくなっています。

愛知県の私立学校における保護者の負担軽減(私立高等学校の授業料軽減)は以下のようになっています。

私立高等学校 【平成22年度】 

区分

補助額

左のうち

国の就学支援金額

保護者の所得基準(父母の合算収入

1

31,900

(年額382,800円)

19,800

(年額237,600円)

生活保護又は市町村民税所得割額が非課税の世帯

【年収250万円未満程度】

2

31,900

(年額382,800円)

14,850

(年額178,200円)

市町村民税の所得割額が18,900円未満の世帯

【年収350万円未満程度】

1

19,100

(年額229,200円)

9,900

(年額118,800円)

市町村民税の所得割額が136,500円未満の世帯

【年収610万円未満程度】

2

14,200

(年額170,400円)

9,900

(年額118,800円)

市町村民税の所得割額が244,500円未満の世帯

【年収840万円未満程度】

その他

9,900

(年額118,800円)

9,900

(年額118,800円)

市町村民税の所得割額が244,500円以上の世帯

【年収840万円以上程度】

     所得区分の【年収】は、標準4人世帯の場合のおおよその目安額です。

 愛知県内の私立高等学校に通う生徒の保護者の負担を軽くするため、一定の条件を満たす 場合に、授業料の一部を補助しています。

     対象者の要件 ◆

・ 就学支援金の受給資格認定を受けた者であること

・ 生徒と保護者がともに愛知県に在住していること

・ 保護者の所得が上表の所得基準に該当すること

 ※父及び母ともに所得がある場合は、2人分の合計金額になります。

 生徒及び保護者がともに県内に在住しない場合の軽減額は、国の就学支援金のみとなります。

 また、上記の補助額には、国の就学支援金が含まれます。

 




   

   私立高校も公立高校も、同じ「学校」であり「公教育」の場として法律で定められています。しかし、

 

  愛知県において私立高校入学時の初年度納付金は約63.1万円です。(公立高校は平成22年より

  無料になりました。)

 

 

   医療や交通機関など公共料金において、同程度の内容でこれほどの官民格差はありません。国

 

  や県が公立高校と私立高校とにかけるお金が違うからです。「私学助成」は、私立に通う生徒も公

 

  立と同じ内容の「公教育」を受けられるように、学費の父母負担と教育条件の「公私格差」を是正す

 

  るための教育制度です。そして「私学助成」は、私立公立を問わず学校を選ぶ自由を保障し、「教育

 

  の機会均等」を実現する制度です。

  「教育の機会均等」を実現し、私立公立を問わず学校を選ぶ自由を保障するためには、私学助成

 を増額し「公私格差」を是正する必要があります。したがって知立市議会は、私立高等学校等への

 経常費助成を増額し、父母負担軽減に大きな役割を果たしている授業料助成を拡充するとともに、

 学費と教育条件の公私格差を着実に是正できる新たな助成制度を確立することを国と県に要望し

 ていかなければなりません。