政権交代その後


皆様ご承知のとおり、本年916日の臨時国会において民主党政権となりました。


『平成21年度補正予算の見直し』

民主党が、マニフェスト実現のために最初に手を付けたことは、平成21年度補正予算の見直しでした。29259億円の執行停止または返納とのこと。

平成21年度補正予算は、平成21529日に成立し、139256億円の予算が組まれています。

内、地方公共団体への配慮という予算が23790億円です。

この予算をアテにしていた地方公共団体が、執行停止または返納に困惑しています。

ところで、憲法の〔財政処理の要件〕第83条に、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」とあります。

つまり政権を取ったからと言って、国会の議決を得ずに、決まったはずの予算を執行停止というのは憲法違反ではないでしょうか。

国会で決まったことが、簡単にひっくり返される。こんなことがあっていいものでしょうか。 まずは、この件に関して多くの国民が疑問を持っていることと思います。


『赤字国債発行』

日本の国家予算は、ここ数年来8085兆円で推移していました。しかし、来年度の予算は95兆円!そんな数字が飛び交っている今日この頃です。また、この世界的な不況のあおりを受けて、来年度の税収は40兆円を割り込むとのこと。ということは、民主党政府は、一体どれだけの赤字国債を発行するのでしょう。

民主党政府の赤字国債発行は問題です。二つの問題があると言えます。

その一つは、多くの人が指摘しているように、選挙中に散々これまでの自民党政府のやり方には無駄があり、これを徹底的になくせば財源は確保できると、自信たっぷりに言い切ったことです。乗せられ易い多くの有権者が、この意見に感激し、民主党に投票しました。

第二の問題は、実は民主党は最初から、無駄を省くなんてことでは財源は出てこないことを知っていて、政権をとれば赤字国債をバンバン発行すればよいと、考えていたことです。

つまり、民主党は、赤字国債を発行しなければ自分たちの約束した政策が実現しないことを十分知りながら、選挙民にはそれを隠して、単に無駄を省けばできると、騙したわけです。 こういうのをなんと言うのでしょう。

民主党の前原氏は、野党時代に国会の場で、時の麻生首相に対し、貴方は詐欺師だと罵倒しました。

今、その言葉はそっくり民主党に捧げられるのではないでしょうか。


『地方の混乱と困惑』

最近マスコミで、「地方の混乱」あるいは「地方の困惑」という言葉が、よく出てきます。

これは、前述の補正予算執行停止によるもの、そして新大臣らが打ち出す政策によるものです。

928日に、全国市長会の森民夫会長(新潟県長岡市長)らは、予算の凍結や組み替えで地方自治体の行財政運営に混乱が生じないよう、原口一博総務相や川端達夫文部科学相に要請しました。

要請ではこのほか、(1)法律に基づく「国と地方の協議の場」の早期実現(2「子ども手当」は全額国庫で賄う(3)公立高校の授業料無償化では市町村を実施主体としない―などを求めました。

要請後に記者会見した森会長によると、原口総務相は予算の執行停止に伴い「地方に混乱が生じないよう十分配慮したい」と発言。川端文科相も公立高無償化に関して「個人が申請して、学校が代理受領するなどの方法を検討している」として、自治体の事務負担が増えないようにする考えを示しました。(共同通信より抜粋)

新大臣らが次々と打ち出す新政策に、地方自治体が困惑しています。「国の出先機関廃止」「後期高齢者医療制度廃止」「市場移転」「農業政策転換」…。政権交代の影響が地方にも確実に及びつつあります。

たとえば、この中の「後期高齢者医療制度廃止」

(以下は918日産経新聞より抜粋)

平成20年4月に大混乱しながら始まった後期高齢者医療制度。長妻昭厚生労働相がマニフェスト通り、廃止の意向を表明した。

これには全国知事会会長の麻生渡福岡県知事が「やめた場合にどんな制度を作るのか。特に市町村側は非常に不安に思っている」と地方の声を代弁。制度運営に際しては、全国の自治体から計1336人が、都道府県ごとに組織された「広域連合」に出向した。長野県の広域連合事務局の男性職員は「制度がやっと定着してきた矢先なので戸惑っている」。その上で「制度がコロコロ変わって一番迷惑するのはお年寄りだと思う」と話す。

社会福祉制度に関しては、政権が変わるごとに、制度がコロコロ変わってはならないものです。この点に関しては、きちんとした法整備が必要かと考えます。


10月26日より開かれる臨時国会、そして来年の通常国会。

野党となった自民党には、民主党政府の政策を厳しくチェックしてもらいたいものです。